「保険を解約したら、払った保険料がぜんぶ戻ってくる」──そんな誤解で契約すると、実は大きく損をすることがあります。終身保険や養老保険のように積立部分がある商品では、契約期間や経過年数によって解約返戻率(=返戻金÷支払済保険料)が劇的に変動します。さらに、解約手数料や税金が差し引かれるケースも。
Q1.「途中解約でどれくらい損をする?」
A.払込総額の30%しか返ってこない例も。【図表1】
Q2.「ペナルティ=解約手数料って何?」
A.定額型・定率型・段階制など、商品によってルールが異なります。
──このまま読み進めれば、
・そもそも解約返戻金とは何か?
・返戻率が決まる仕組みと約款のチェックポイント
・具体的な計算例(表付き)
・解約前の損失を抑える3つの代替案
まで、読者目線でかみくだいて解説します。
解約返戻金の基本知識
解約返戻金・解約返戻率とは?
– 解約返戻金=「支払済保険料総額」×「(解約時の)返戻率」– 解約手数料
– 解約返戻率=支払総額に対し返戻金が何%かを示す数値
例)支払保険料 200万円/解約返戻率70%/解約手数料5万円
→返戻金=200万円×70%–5万円=135万円
保険の種類ごとの特徴
| 保険タイプ | 返戻金の特徴 | 解約手数料の傾向 |
|---|---|---|
| 終身保険 | 長期継続で解約返戻金↑。早期は大幅マイナス | 定率/段階制 |
| 養老保険 | 満期保険金+解約返戻金。満期近くで有利 | 定率 |
| 定期保険 | そもそも返戻金なし/解約返戻金型もある | 定額/無料プランもあり |
──Q&A
Q.生命保険で「返戻金がない」タイプもあるって本当?
A.「掛捨て型」保険(例:掛捨て定期保険)にはそもそも返戻金設定がありません。
途中解約の契約上の条件
約款(契約書)で必ず確認すべき3大ポイント
1.返戻率スケジュール
2.解約手数料の算定方法(定額or定率)
3.税金や源泉徴収の有無
経過年数による返戻率の変動例
【図表1:返戻率の推移例(終身保険・60歳解約を想定)】
| 経過年数 | 返戻率(例) |
|---|---|
| 3年 | 30% |
| 10年 | 75% |
| 20年 | 105% |
– 早期解約は損、長期継続で得をするケースが多い
– 返戻率表は必ず最新版を約款で確認
返戻金の計算方法
基本計算式
解約返戻金 = 支払済み保険料総額 × 解約返戻率 - 解約手数料 + 特別配当(あれば)
計算例
| 契約形態 | 支払済保険料 | 解約返戻率 | 解約手数料 | 計算結果(返戻金) |
|---|---|---|---|---|
| 終身保険(5年経過) | 200万円 | 40% | 5万円 | 200×0.4–5=75万円 |
| 養老保険(15年経過) | 300万円 | 110% | 10万円 | 300×1.10–10=320万円 |
| 定期保険返戻金型 | 150万円 | 80% | 0円 | 150×0.8=120万円 |
──Q&A
Q.特別配当って何?
A.業績連動で支払われる配当金。会社によって有無・額が異なります。
解約手数料・ペナルティの中身
主な手数料タイプ
- 定額制:一律○万円
- 定率制:解約返戻金または支払保険料の○%
- 段階制:経過年数に応じて料率が変化
どんなときにペナルティが発生?
- クーリングオフ期間以降
- 保険会社所定の最低継続期間未満
- 一部解約や特約解約のケース
実例:手数料のイメージ
| 手数料方式 | 支払保険料 | 手数料率 | 手数料額 |
|---|---|---|---|
| 定率 | 200万円 | 5% | 10万円 |
| 定額 | – | – | 3万円 |
| 段階制 | 300万円 | %変 | 例:第1年→20万円、第2年→15万円 |
解約前のチェックポイント&代替案
解約前のチェックポイント
1.損益分岐年数を算出(返戻率100%到達年)
2.必要保障額とコストのバランス再確認
3.税金や諸手続きの手間も見積もる
途中解約の損失を抑える3つの代替案
| 代替案 | ポイント |
|---|---|
| 払済保険 | 保険料払い込み停止→保障を最低限継続 |
| 契約者貸付 | 積立金を担保に借入→解約せず資金を確保 |
| 特約解約 | 医療特約などだけ解約→本体契約は継続 |
結論
- 要点まとめ
- 返戻金は「支払保険料×返戻率-手数料」で計算
- 解約返戻率・手数料は約款で要チェック
- 解約手数料・税金も含めた総コスト意識が不可欠
- 払済保険・契約者貸付など代替案も検討を
- 約款・返戻率表を必ず確認
文章だけでなく、実際の「契約概要書」「約款別紙」を目で追ってください。返戻率表は保険証券にも添付されています。 - 疑問が残る場合は専門家へ
もし「解約返戻金の想定額が合わない」「税務処理が不安」などあれば、無料で相談できる「みんなの生命保険アドバイザー」などを活用し、納得したうえで最適な判断をしましょう。
──この記事を読んで、
●「こんなプランなら、解約せず活かせそうだ」
●「本当に解約すべきか、今一度見直そう」
と思っていただけたなら幸いです。検討前のチェックリストをしっかり使って、あなたにとって最適な選択を!


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