〜保険を「貯める」から「活かす」へ〜
今、「解約返戻金の活用」が注目される理由
「学資保険を満期前に解約したら、いくら戻ってくるの?」
「終身保険をやめて住宅ローンの頭金にしてもいいの?」
そんな疑問を持つ方が、最近とても増えています。
家計の見直しやライフイベント(教育・住宅・老後)を前に、**「今あるお金をどう活かすか」**が現実的なテーマになっているのです。
その中で、見直しの対象としてよく挙げられるのが**「保険の解約返戻金」**。
長年払い続けてきた保険料の一部がまとまって戻ってくるため、「これを別の目的に使えないか」と考える人が増えているんですね。
ただし——。
一方で、
- 「解約して損しない?」
- 「税金がかかるって聞いたけど?」
- 「老後の保障がなくなるのでは?」
という不安もつきものです。
この記事では、そんな悩みを抱える30〜50代の方に向けて、
「解約返戻金を教育・住宅・老後にどうシフトすればムダがないか」を、具体的なケースと注意点を交えながら分かりやすく解説します。
そもそも「解約返戻金」とは?
定義と基本構造
「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」とは、保険を途中で解約したときに戻ってくるお金のこと。
生命保険や学資保険などの「貯蓄型保険(終身保険・養老保険・学資保険など)」に多く見られる仕組みです。
| 保険の種類 | 解約返戻金があるか | 備考 |
|---|---|---|
| 終身保険 | ◎ | 積立要素が強い |
| 養老保険 | ◎ | 満期金=死亡保険金 |
| 学資保険 | ◎ | 途中解約で元本割れの可能性あり |
| 医療保険(掛け捨て型) | × | 解約返戻金なし |
返戻率(へんれいりつ)とは、支払った保険料に対して何%戻ってくるかを示す数値。
例えば、10年間で200万円払って解約返戻金が180万円なら、返戻率は90%。
契約からの経過年数が長いほど返戻率は上がり、満期や高齢期には元本超えになることもあります。
解約返戻金を「教育資金」に活用する
よくあるケース
子どもの進学を前に、「教育費の不足をどう補うか」で悩む家庭は少なくありません。
- 「高校や大学進学でまとまったお金が必要」
- 「奨学金はできるだけ借りたくない」
- 「子どもの留学資金を作りたい」
こうした時に、学資保険や終身保険の解約返戻金が頼りになる場合があります。
メリット:急な出費に対応できる
解約返戻金のメリットは、何よりも流動性が高いこと。
すぐ現金化できるため、「教育資金を用意したいけど貯金が足りない」というときの選択肢になります。
たとえば:
- 大学入学金(約30〜50万円)
- 初年度の授業料(私立文系:約80〜120万円)
- 一人暮らしの初期費用(約50〜100万円)
こうした入学前に必要な大口支出をまかなうには、返戻金を充てるのが現実的です。
注意点:途中解約による「元本割れ」
特に学資保険を満期前に解約する場合、ほとんどのケースで**返戻率が100%未満(元本割れ)**になります。
たとえば:
- 契約6年目で返戻率90%
→ 200万円払っても180万円しか戻らない。
ただし、終身保険を10年以上継続していた場合は、返戻率が100%を超えるケースもあります。
「どの保険を、どのタイミングで解約するか」が重要なんですね。
教育資金活用のポイント
- 満期が近い学資保険なら、解約より満期金の受け取りを待つ方が得策。
- 終身保険なら、教育費用に充てた後の保障をどう補うかを検討。
- 解約前に、返戻率・税金・再加入可否を必ずシミュレーション。
💡【アドバイス】
「教育費のピーク」は高校〜大学進学時(文部科学省調査より)。
一時的な資金確保なら解約より「契約者貸付制度」を使う方法もあります。
(参考:生命保険文化センター「教育費の実態」https://www.jili.or.jp)
解約返戻金を「住宅資金」に活用する
頭金やリフォーム資金として使うケース
住宅購入やリフォームのタイミングで、「まとまった自己資金が必要」になるのはよくあること。
このとき、保険の解約返戻金を頭金やリフォーム費用に充てる人も増えています。
メリット:ローン負担の軽減
頭金を多く入れれば、その分ローン総額と利息が減ります。
たとえば、
- 3,000万円の住宅ローン(35年・金利1.5%)
- 頭金を300万円 → 返済総額 約3,940万円
- 頭金を600万円 → 返済総額 約3,800万円
つまり、頭金を増やすだけで約140万円の利息節約につながるのです。
注意点:保険の「保障」が消える
終身保険を解約してしまうと、その瞬間に死亡保障がなくなるため、
「住宅ローン契約者が亡くなったときの家族の生活保障」が消える点には注意が必要です。
住宅ローンを組む場合、「団信(団体信用生命保険)」に加入しますが、
既存の保険をすべてやめると家族の生活防衛力が下がるリスクがあります。
対応策:保障と貯蓄のバランスを取る
保険を全解約せず、
- 一部解約
- 減額解約
- 払済保険への変更
など、「保障を残しながら資金を取り出す」方法もあります。
このあたりのシミュレーションは、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談すると現実的に判断できます。
(参考:金融庁「ライフプランに合わせた保険の見直し」)
解約返戻金を「老後資金」に活用する
老後2000万円問題を前に
「年金だけでは足りない」と言われる今、老後資金の準備は誰もが気になるテーマ。
しかし、預金金利が低い中、保険の積立部分を老後資金にシフトする人が増えています。
メリット:運用と安定の両立
終身保険や養老保険を20年以上継続していた場合、返戻率は120〜130%になることも。
つまり「貯蓄+利息」がついた状態で老後資金を確保できます。
活用例
| 活用方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 一括解約で現金化 | 即時資金化可能 | 所得税の課税対象 |
| 一部解約・払済保険化 | 保障を維持しつつ老後資金を確保 | 手続きが複雑 |
| 契約者貸付を利用 | 解約せずお金を引き出せる | 利息が発生 |
注意点:税金の扱い
解約返戻金を受け取ると、一時所得として課税対象になることがあります。
【課税対象額の計算式】
解約返戻金 - 払込保険料総額 - 特別控除50万円
たとえば、
- 払込総額:200万円
- 返戻金:280万円
→ 利益80万円 − 控除50万円 = 課税30万円
実際の税額はこの課税額の1/2に所得税率をかけた額。
つまり、大きくはありませんが、申告漏れに注意が必要です。
(参考:国税庁「生命保険契約に係る満期保険金・解約返戻金の課税関係」)
老後資金としてのベストなシフト戦略
- 終身保険の返戻金をiDeCoやNISAへ再投資
- 保険の「利息型資産」を運用型資産に変える
- 長期的に増やしたい場合は、分割解約や払済化で運用継続
「老後資金に回したいけど、何から始めれば…?」という方は、
FPにシミュレーションを依頼し、「解約+再運用」の最適解を見つけましょう。
解約返戻金を活用する際の注意点まとめ
| 項目 | 注意点 | 対策 |
|---|---|---|
| 税金 | 一時所得課税が発生する場合あり | 控除・申告確認を忘れずに |
| 保障 | 死亡・医療保障が消滅する | 代替保障を検討する |
| 再加入 | 年齢・健康状態で難しくなる | 再加入前提の解約は避ける |
| タイミング | 元本割れの可能性 | 満期・返戻率を確認 |
| 使途管理 | 一度使うと戻せない | 明確な目的を決めて使う |
専門家に相談するメリット
「自分の場合、解約すべき? 続けるべき?」
この答えは、年齢・契約年数・家庭構成・資金目的によってまったく違います。
専門家に相談すると、
- 保険をどの順番で見直すべきか
- 一部解約・払済保険などのベストな選択肢
- 税金や再加入リスクの把握
まで、トータルでアドバイスしてもらえます。
💬【相談イメージ】
「子どもの大学費用に充てたいけど、老後の保障も残したい」
「住宅購入前に解約すべきか迷っている」
「税金を最小限にして活用する方法が知りたい」
そんなとき、無料でFP相談できるサービスを活用するのが効率的です。
全国対応・何度でも無料で、ライフプランに合った保険の見直しや解約シミュレーションをしてくれます。
無理な勧誘がない点も好評です。
まとめ:保険は「守り」だけでなく「活かす」時代へ
昔は、保険といえば「万が一の備え」でした。
しかし今は、「ライフプランの中で資金をどう動かすか」という観点で考える時代。
- 子どもの教育費
- 住宅購入
- 老後の生活費
それぞれのライフイベントに合わせて、保険の中に眠る資金を活かす発想が大切です。
ただし、「解約=正解」ではありません。
税金・保障・再加入リスクなどを踏まえたうえで、
「どの保険を、いつ、どのように活用するか」を設計することが何より重要です。
今日できるアクションリスト
- 現在の保険の「返戻金額・返戻率」を確認する
- ライフイベントごとに資金ニーズを整理する
- 解約前に、税金・保障リスクを把握する
- 無料FP相談で「解約 or 継続」の最適解を見つける
🧭 まとめメッセージ
保険は「入る」ときだけでなく、「やめ方」も大切。
解約返戻金は、あなたのこれまでの努力が形になったお金です。
教育・住宅・老後、それぞれのステージで「最も価値のある使い方」を見つけましょう。
参考文献・データ出典
- 金融庁「ライフプランに合わせた保険の見直し」
- 生命保険文化センター「教育費の実態調査」
- 国税庁「生命保険契約に係る満期保険金・解約返戻金の課税関係」
- 総務省統計局「家計調査年報」


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