なぜ今「外貨建て終身」が注目されるのか?
「終身保険って、円建てと外貨建てがあるけど、どっちがいいの?」
30〜50代で保険の見直しや資産形成を考えている方なら、一度はこんな疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。特に外貨建て保険は、米ドルや豪ドルといった通貨で運用され、円建てに比べて利率が高いという宣伝が多く見られます。その一方で「為替リスクがある」「ヘッジコストがかかる」などの不安も耳にするはずです。
この記事では、外貨建て終身保険と円建て終身保険の違いを、為替感応度とヘッジコストという2つの観点から深掘りしながら、「自分に合った選び方」を考えていきます。
外貨建て終身と円建て終身の特徴と仕組み
円建て終身保険とは?
- 保険料も保険金も「円」で固定される
- 公的利率の低下を受けて予定利率が非常に低い(0.5%未満の場合も)
- 元本割れリスクは小さいが、リターンも限定的
外貨建て終身保険とは?
- 保険料や保険金が「外貨」で計算される
- 米ドル建てであれば予定利率はおおよそ2〜3%と、円建てより有利に見える
- ただし「円に戻すとき」に為替の影響を強く受ける
為替感応度の違い
為替感応度とは?
為替感応度とは「外貨と円のレートが変動したときに、保険の価値がどれだけ変わるか」を表すものです。特に外貨建てはこの影響が大きく、円高になると受け取れる円換算額は減少します。
具体例
- 米ドル建て保険に加入(1ドル=100円のとき)
- 保険金:10万ドル → 円換算で1,000万円
- 受取時に1ドル=120円 → 1,200万円(+200万円)
- 受取時に1ドル=80円 → 800万円(−200万円)
つまり、**外貨建ては為替レートに「振り回されやすい」**のが特徴です。
メリット
- 円安が進むと円換算の受取額が増える
- 金利水準の高い国の通貨で運用できる
デメリット
- 円高局面では大きく目減りするリスク
- 老後資金として「円」で必要な場合、安心感は円建てに劣る
ヘッジコストの現実
為替ヘッジとは?
「為替ヘッジ付き外貨建て保険」という商品もあります。これは、円と外貨の為替変動リスクを回避する仕組みですが、その分コストが発生します。これがヘッジコストです。
ヘッジコストの水準
- 2020年頃:年率1〜1.5%程度
- 2023〜2024年:日米金利差の拡大で 年率4〜5% に上昇
(参考:日本銀行公表資料 為替スワップ市場動向)
このコストは、実質的に外貨建て保険の「利回り」を大きく削ります。
数値イメージ
- 米ドル建て利率:3%
- ヘッジコスト:4%
- 実質利回り:マイナス1%
つまり「利率が高いから外貨建てが有利」とは限らず、ヘッジコストが逆転要因になるのです。
ヘッジコストが上昇したときの影響
- 保険会社が「予定利率を引き下げる」ケースも増える
- 無ヘッジ型では顧客がリスクを直接負担する
- 長期契約では「数十年先のヘッジコスト予測」が困難
数値シミュレーションによる比較
前提条件
- 契約者:40歳男性
- 保険料:月3万円、20年間払込
- 受取:終身保険金 1,000万円相当
円建て終身
- 積立利率:0.5%
- 支払総額:約720万円
- 解約返戻金(60歳時点):約750万円
- 元本割れリスクはほぼなし
外貨建て終身(米ドル)
- 積立利率:3%
- 支払総額:約720万円(ドル換算)
- 60歳時点解約返戻金:1,000万円〜1,200万円(円安時)/600万〜800万円(円高時)
比較表
| 項目 | 円建て終身 | 外貨建て終身 |
|---|---|---|
| 利率 | 低い(0.5%) | 高め(2〜3%) |
| 為替リスク | なし | 大きい |
| ヘッジコスト | 不要 | 年率1〜5%程度 |
| 安定性 | 高い | 為替に左右される |
| 期待リターン | 小さい | 大きいがブレ幅あり |
結論|どう選ぶべきか?
外貨建て終身が向いている人
- 為替リスクを取ってでも「利回りを狙いたい」人
- 老後に海外生活や外貨支出の予定がある人
- 資産の一部を分散したい人
円建て終身が向いている人
- 老後資金を「確実に円で確保したい」人
- 為替やヘッジコストの複雑さを避けたい人
- 安定性を最優先したい人
最後に|迷ったら専門家に相談を
この記事では「外貨建て終身と円建て終身」の違いを、為替感応度とヘッジコストの観点から整理しました。結論としては、どちらが有利かは一概に言えず、自分のライフプランやリスク許容度で選ぶしかないのです。
「自分の場合、どっちを選ぶべきなんだろう?」
もしそう感じたら、一度専門家に相談してみるのがおすすめです。中立的なFPに相談すれば、複数の保険会社の商品を比較しながら、自分に合った選択肢を提案してもらえます。
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将来の安心のために、まずは情報を整理することから始めてみましょう。


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